DetectiveBar L'uce

最近涼しくなり、夜は特にエアコンも必要ないくらいなので、秋の訪れを感じております。
熊本もコロナ新規感染者数も少しずつ減っており、皆様とまたお会いできる日が日に日に近づいておりますね。

さて、今回はリキュールについて軽くお話しましょう。

リキュールの発明者は古代ギリシャの医聖ヒポクラテス(BC460頃~BC375頃)だといわれています。ヒポクラテスは薬草をワインに溶かし込んで、一種の水薬をつくりだし、これが起源と言われております。

現在のリキュール、「スピリッツをベースにした混成酒の創案者」は、ブランデーの創始者ともいわれるスペイン生まれの医者であり錬金術師のアルノード・ヴィルヌーブ(1235~1312頃)とその弟子のラモン・ルル(1236~1316)だといわれてます。彼らはスピリッツにレモン、ローズ、オレンジの花、スパイスなどの成分を抽出してつくりあげたそうです。
彼らの死後まもなくの1346年、ヨーロッパにペスト菌が伝染、黒死病が蔓延し、多くの人々が亡くなりました。このときスピリッツに薬草を溶かし込んだエリクシルは、貴重な薬品として扱われてました。

一方では、同じ頃にすでに修道院でもリキュールづくりが盛んにおこなわれていた。モンクス・リキュール(モンク= 修道士)と呼ばれるもので、ラテン語の文献に精通し、錬金術(蒸溜技術)を学べる環境にあった修道士たちが薬草を原料に薬酒をつくり、自分たちのためだけでなく近隣住民の滋養強壮のために分け与えておりました。
15世紀になるとリキュールづくりが盛んだったイタリアが指導的な役割を担うようになり、イタリアはすでに14世紀には薬用酒を輸出していたほどでしたが、パドヴァの医師、ミケーレ・サボナローラがロゾリオというリキュールを開発したとい話が伝わってます。彼は、さる病弱な婦人に生命の水と讃えらるブランデーを薬としてすすめましたが、彼女は飲みたがりませんでした。
そこでミケーレはブランデーにバラの花の香りとモウセンゴケの味を溶かし込んだリキュールを開発し、ロゾリオ(Rosolio)と名付けてすすめてみました。その婦人は気に入り薬として飲むようになったという。
ロゾリオとはモウセンゴケのイタリア古語ロゾリに由来するが、このロゾリという語も、元はラテン語で「露」を指すロス(ros=dew)と「太陽の」を意味するソリス(solis=of the sun)からきた名です。
つまり「太陽のしずく」といった意味が込められたもので、ロゾリオは現在でも南イタリアで人気のあるバラの香りのリキュールです。

ジンもそうでしたが、お酒の起源は元々薬として作られたものが多いですね。
リキュールは現在数多く存在し、もちろんカクテルにも使われているので、歴史を少しでも知ってて飲むカクテルはまた格別な味がすると思います。
お酒の歴史を見てみるととても面白いですね。

2021/09/13